ウィスキー』ウィ

年老いた不器用な男女が見せる、青春時代をふと思い出させるような淡い恋心と苦い経験. 一つ勇気を持って近づけば変わったかも知れないチャンスを逃した独身男ハコボと、ただ待つだけの人生をまた続けてしまった独身女のマルタ. 彼らの作り笑いがただ淋しく感じるラストがちょっと切ない. そんなウルグアイ映画でした. 2004年第17回東京国際映画祭でグランプリと主演女優賞を受賞したこの映画. まず靴下工場を営むハコボが毎朝一番乗りで出社するマルタに、亡くなった母親の墓石の建立式でブラジルから久しぶりに帰ってくる間だけ夫婦のふりをしてくれと頼み込む時点から、このハコボというオッサンの不器用さが滲み出ているんですよね. しかもこの不器用さというのがまるで男子中学生のような、これまで特に女性に興味を持っても行動してこなかったであろうことが容易に読めてしまうような独身男の不器用さ. 一方で同じく独身のマルタはというと、そんなムチャなお願いをされ、始めは戸惑いつつも、ブラジルから帰ってきたハコボの多弁な弟エルマンとの会話が楽しかったのか、それとも少し想いを寄せていたハコボとの偽装とはいえ夫婦生活が嬉しかったのか、ハコボとエルマンの2人と過ごすうちに徐々に明るい一面を見せ始めるのがちょっとかわいらしいこと. 特に50歳を過ぎていながらもホテルのプールに入ったり、エルマンと逆さ言葉で話が盛り上がったりする姿は、まるで若き日に奥手でいたために逃した恋愛の楽しさを今楽しんでいるかのよう. で、マルタがそんな明るい表情を見せている頃ハコボは何をしているかというと、一人で朝から壁にドリルで穴を開けたり、一人でクレーンゲ-ムに没頭したり、多弁な弟に遠くから嫉妬してみたりなど、ええ歳こいてガキみたいなことばかりしているんですよね. ですからエルマンがブラジルに帰ったあと、マルタとしてはハコボからの言葉がほしかったはず. 「ウィスキー(日本では「はい、チーズ」)」で撮った偽装夫婦の写真が本物の夫婦の写真に昇格する機会を待っていたはず. でも女性に声を掛けるタイミングを知らないハコボは好機を逃し、男性からの言葉を待ってばかりのマルタは翌日会社を休んでしまう. 多くのティーンの女の子が誤ってHPVワク ランスニーカー adidasニングシューズ いやもしかしたらあの日を最後に辞めてしまったのかも. そんな2人の恋愛に対する不器用さが彼らに独身人生を歩ませているんでしょう. ブラジルとアルゼンチンという2つの大国に挟まれた小国ウルグアイ. ブラジルから帰ってきた多弁な弟とアルゼンチンから新婚旅行で来た陽気な夫婦に出逢った小心者のハコボとマルタ. これまでに60本しか映画が製作されていなかったウルグアイという国と主人公のハコボとマルタを巧くリンクさせ、ヨーロッパ映画のような雰囲気で包み込んだこの静かな名作. 共同監督の一人フアン・パブロ・レベージャがこの映画を撮ったあとの2006年に拳銃自殺をしたと聞くと、実に惜しい才能を亡くしたと心からお悔やみ申し上げます. 深夜らじお@の映画館 はこれが人生初のウルグアイ映画です. ※お知らせとお願い ハッカーのターゲットアップルサーバ ■ 【元町映画館】 に行こう.