行革議論へ「懇談会」 政権、稲盛・葛西氏

野田政権は、稲盛和夫京セラ名誉会長ら有識者10人による「行政改革に関する懇談会」の設置を決めた. 1980年代に国鉄の分割・民営化を進めた第2次臨時行政調査会(土光臨調)がモデル. 民間の知恵を借りて公務員制度改革や規制改革に切り込む目的で、5月7日に初会合を開く. 懇談会は岡田克也副総理が主宰し、2年程度の時限的な組織とする. 国家公務員給与のあり方や国有資産の売却、農業・医療の規制改革などを提言する. メンバーは日本航空の再生を手がけた稲盛氏のほか、葛西敬之JR東海会長や茂木友三郎キッコーマン名誉会長、岡素之・住友商事会長、前総務相片山善博・慶応大教授、古賀伸明・連合会長ら. 岡田氏は「平成版・土光臨調のような場で議論したい」という. 民間の意見で無駄を削る姿勢を示し、消費増税への理解を得るねらいだ. 民主党は今国会に提出した行政改革実行法案に「行政構造改革会議」の設置を盛り込んだが、成立は見通せない. まずは懇談会として先行させ、成立後に移行する.

11日、日本ハム0―0ロッテ) 日本ハムの中田が好返球でチームを救った. 0―0で迎えた延長11回、2死一、二塁で、ロッテ角中の打球は左前へ. 二塁から俊足の岡田が本塁へ突入したが、ノーバウンドの返球でタッチアウトに. 「あのタイミングならアウトにできる. 余計なことを考えないで勝負をかけるしかないと思った.

東京電力は8日、新会長に原子力損害賠償支援機構下河辺和彦運営委員長(弁護士、64)が就き、新社長に東電生え抜きの広瀬直己常務(59)を昇格させると発表した. 6月下旬の株主総会で承認された後に就任し、「実質国有化」される東電のかじ取りを担う. 勝俣恒久会長(72)と西沢俊夫社長(61)はともに退任する. 2人は、福島第一原発事故を起こしたことや、国有化に追い込まれたことの責任をとり、退職金を受け取らない方向だ. 広瀬氏は8日に開いた記者会見で「下河辺さんとタッグを組んで、一日も早く『東電も少しは変わってきた』と思ってもらえる会社にしたい」と語った. 優先して取り組む課題には、福島第一原発事故の賠償、原発事故の収束と廃炉、電力の安定供給を挙げた. 東電と支援機構はこれから会長と社長以外の取締役を選び、2012年3月期決算を発表する14日に新経営陣のすべてを発表する. 取締役の過半数社外取締役にする方針. 下河辺会長のほかに、経済産業省出身で支援機構運営委員会の嶋田隆事務局長や企業経営者ら6人を選ぶ. 東電社内からの取締役は3~4人にする見通しだ. ■積もる課題に決意 新経営陣は東京電力を変えられるか. 新社長の広瀬直己氏の前には課題が山積みになっている. 「値上げがウエルカム(歓迎)だという方はいない. 理由や合理化努力をしっかり説明して理解をいただくしかない」. 広瀬氏は8日の会見でこう訴えた. 東電は、7月から家庭向け電気料金を平均10%値上げする計画を近く経済産業省に申請する. 新たに2014年3月期には純損益を黒字化する目標を立て、その達成に必要だという. しかし、4月から契約更新に合わせて企業向け料金を平均17%値上げし始めたところ、企業から猛反発を受けている. 西沢俊夫社長は「値上げは権利であり、義務でもある」と発言し、火に油を注いだ. 営業部門を長く歩んできた広瀬氏は、会見で「現場からいろいろな(批判の)声を聞いて、なんとかしなければならない」と話した. 今後は社員給与を2割減らすなどのリストラを進め、利用者の理解を求めていくという. 東電はまた、13年度中に柏崎刈羽原発(新潟県)を再稼働させる方針だ. 福島第一原発事故を起こしており、地元に簡単に納得してもらえるはずがない. しかし、広瀬氏は会見でこう述べた. 「(原発は)全然だめだという議論にするのはエネルギー政策上もったいないと思っている」 広瀬氏は原発事故の被害者の賠償を担当し、何度も福島に足を運んだという. それでも原発再稼働には「福島の検証にしっかり正面から取り組み、理解を得たい」と、今の経営陣と同じように積極的だ. ただ、「意見を言える場面があれば言うが、議論をしていただいて国の政策に沿って進めていきたい」とも話す. 政府は支援機構を通じて東電に出資して議決権の過半を握る. その支援機構や下河辺氏らが広瀬氏に期待するのは「内向き」や「縦割り」などと言われる社風を変えることだ. 広瀬氏も「我々が一番よく知っていてベストの解(答え)を提供できるから黙って従いなさい、という姿勢が一番悪かった」と反省する. 会見では、料金制度の選択肢を利用者に示すなどして、その意見をよく聞く考えを強調した. 発電会社と送電会社を分ける「発送電分離」や、電力会社の「地域独占」の変革にも「(議論をすることで)よりよい解ができると思う」と話し、電力制度改革の議論に耳を傾ける姿勢を示した. (上地兼太郎、大平要).